大学院 フランス文学専攻
専攻紹介

Cursus de troisième cycle de langue et littérature françaises

本専攻の特徴

 フランス文学専攻は、母体のフランス文学科の誕生から数えて、すでに60年以上の歴史を持ち、その間、研究者、大学人のみならず、詩人、評論家、演劇人などを含む多様な人材を輩出してきました。「伝統」と「新しさ」、本専攻の特色はこの両面にあると言えるでしょう。学問を単なる抽象的な知識として捉えるのではなく、我々の現在と密接に結びついた生きた事象と考え、そこに働きかけようとすること、そして研究の対象とするのが古典であれ現代の作品であれ、先入見を排した自由な視点から常に新たなるものを見出そうとすること、これが本専攻の培ってきた精神といえます。



何を学ぶか

 学部の「フランス文学科」は2007年度に「フランス語圏文化学科」と改称しましたが、大学院の「フランス文学専攻」は今日まで名称変更を行っていません。それは本専攻が従来から、フランス語とフランス語圏に関わっている限り、どのようなテーマを扱うことも積極的に奨励してきたという自負があるからです。じっさい、本専攻に提出された論文の研究対象は、狭義の文学・思想のみならず、言語、演劇、映画など、多岐にわたっています。
 これは研究対象であれ、研究方法であれ、学生の皆さんの自由を最大限尊重する、という我々教員の指導方針のあらわれでもあります。我々が銘記するのは、「汝の欲することをなせ Fais ce que voudras」(フランソワ・ラブレー)という言葉です。もちろん必要に応じて相談に乗り、ともに考え、指導や助言も行いますが、皆さんの自由な研究を第一に尊重するということです。
 授業としては、各教員が自身の専門を生かしたテーマについて開講しており、研究についての基礎的な知識や方法論、フランス語のテクストの綿密な読解、それをもとに口頭や文章で発表したり議論を交わしたりするやり方などを習得できます。それに加えて、早稲田大学、慶應義塾大学、青山学院大学、白百合女子大学、上智大学、獨協大学、武蔵大学、明治学院大学、明治大学との単位互換制度も設けており、自分の関心に従って様々な授業を受けることが可能です。また、専攻学生は協定留学制度を活用し、近年、本学との提携校であるリヨン第Ⅱ大学とパリ大学(旧パリ第Ⅶ大学)に留学しています。


研究環境

 本専攻は、規模こそ大きなものではありませんが、それぞれの専門分野において優れた業績を有する教員を擁しています。それに加えて、入手困難な貴重な雑誌・資料なども含む、およそ8万冊におよぶ蔵書を誇ります。これに加えて、研究室には映画や演劇を中心としたビデオやDVDが数多くとり揃えられています。
 辞典類やコンピュータを備えた院生室も整備されていて、学生同士の議論や交流の場として機能しています。また、留学やフランス語学習、様々な文化的なイベントに関する情報が豊富に掲示されていますし、学内でも、フランス語やフランス語圏の文化に関する講演会やイベントなどを随時開催しています。各自の興味・関心にしたがって、さらに知見を広げることができるのです。


修了後の進路

 博士前期課程の修了後は、就職する方が多いですが、自分の研究をさらに深めるべく、後期課程へ進学し研究者を志す方もいます。就職先としては一般企業や各種機関が多いですが、大学外諸教育機関やフランス語を活かせる職場、出版や映画、演劇などの現場で活躍する者もあり、その分野の広さも当専攻の特色の一つです。
 後期課程へ進んだ方は、多くの場合、さらなる研鑽の機会を求めてフランスへ長期留学をしています。後期課程の修了者は、ほぼ全員が全国各地の大学や高等学校においてフランス語・フランス文学などの教鞭をとっています。