大学院 フランス文学専攻
専攻紹介

Cursus de troisième cycle de langue et littérature françaises

本専攻の特徴

 フランス文学専攻は、母体のフランス文学科発祥より数え、すでに50年以上の歴史を持ち、その間、フランス文化との交流に携わる人材の他、研究者、大学人のみならず、詩人、評論家、演劇人を世に輩出してきました。「伝統」と「新しさ」、本専攻のもつ特色はこの両面にあると言えるでしょう。学問を単なる抽象的な知としてではなく、我々の現在と密接に結びついた、生きた事象としてとらえ、そこに働きかけるという精神が、古典であれ、現代の作品であれ、研究の対象からあらゆる先入主を排し、まったく自由な視点から常に新たなるものを見出そうとするという、本専攻の根本的な立場を支えています。



何を学ぶか

 文学部「フランス文学科」は2007年度に「フランス語圏文化学科」と改称しましたが、「フランス文学専攻」は今日まで名称変更を行っていません。それは本専攻が、以前から「フランス語圏文化学科」と同様、フランス語とフランス語圏を媒介とする限り、どのようなテーマを扱うことも積極的に奨励してきたという事実があるからです。本専攻に提出された論文の研究対象は、文学、思想のみならず、言語、演劇、映画、等、多岐にわたっています。
 これは我々教員の、研究対象であれ、研究方法であれ、学生諸君の自由を最大限尊重する、という指導方針のあらわれでもあります。我々の本質的立場は、「汝の欲することをなせ Fais ce que voudras」(ラブレー)というものです。もちろん我々は必要に応じて相談にのり、指導も行いますが、学生諸君は(「自己責任」などという不気味で欺瞞的な言葉の重圧を感ずることなく)自由に考え、研究し続ければよい、ということです。「うまくいったら僕のおかげ、失敗したら君のせい」などという教員は、ここにはひとりもいません。少しでも多くの向学心に燃える、優秀な学生諸君が本専攻に集い、ともに新たなるものを求めて研究にいそしむことを切に願っています。


研究環境

 学びの場がいかにすぐれているかの最大の指数は、不断に自己を研鑽している学究者の教師にあることはむろんとして、次なる標は、かのアレキサンドリア以来、まず書物でした。その点で規模が小さいといいながら本専攻が誇れるのは、およそ8万冊に及ぶフランス語とその文学、思想その他の隣接領域にまたがる蔵書です。
 本だけではありません。今日学ぶことには欠かせぬ資料であるビデオやDVDが、映画を中心に研究室にはとり揃えられ、辞典類を備えた院生自習室、情報を検索するコンピュータも整備されており、映像、演劇、あるいはフランス語そのものに触れる機会はきわめて潤沢です。この環境を知られざる辺境とするも活きた知の場にするも、ひとえにこの学舎に来る者の情熱と力に懸かっています。


修了後の進路

 博士前期課程の修了者には、後期課程へ進学し研究者を志す者と、就職をする者がいます。就職者のなかには大学外諸教育機関や、また、出版や映画、演劇などの現場、ないし、フランス語を活かす職場その他で活躍する者もあり、その分野の広さも当専攻の特色の一つです。
 後期課程へ進んだ者の大半は、さらなる研鑽の機会を求めてフランスへ長期留学をしています。後期課程の修了者はほぼ全員が全国各地の大学や高等学校においてフランス語の教鞭をとっています。