Professeurs

中条 省平 教授

nakajyou.jpg■研究テーマ: フランス小説・映画論

■略歴

1954年生まれ。
1981年、学習院大学フランス文学科卒業。
1984-88年、フランス政府給費留学生としてパリに滞在。
1987年、パリ第十大学第三期文学博士号取得。
1988年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得修了。
1988年、学習院大学文学部フランス文学科専任講師となる。
現在、学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授。

 

■研究領域

 私の研究分野は19世紀のフランス小説です。3年半ほど留学したパリ大学では、バルベーという残酷とエロスで有名な(!)カトリックの小説家を取りあげて博士論文を書きました。その成果は下に挙げた本①にまとめました。また、この人の代表作で、歴史に残る「ファム・ファタル(魔性の女)」ものの傑作といわれる短篇集も翻訳しました②。
  フランス文化は、BD(マンガ)やフレンチ・ポップスに至るまで興味があります。とくに映画は(フランスものに限らず)大好きです。下にあげた新書③は、フランス映画の入門書として若い読者を想定して書きおろしたものです。2010年に、この映画史を補う実践的ガイドブック④が出ました。
  色々なことに興味があり、種々雑多な分野に関する本や翻訳を出しています。日本のマンガについて⑤、ジャズについて⑥⑦、日本文学について⑧、等々です。

①『最後のロマン主義者―バルベー・ドールヴィイの小説宇宙』(中央公論社)
②バルベー・ドールヴィイ『悪魔のような女たち』(ちくま文庫)
③『フランス映画史の誘惑』(集英社新書)
④『決定版!フランス映画200選』(清流出版)
⑤『読んでから死ね!―現代必読マンガ101』(文藝春秋)
⑥『ただしいジャズ入門』(春風社)
⑦ローラン・キュニー『ギル・エヴァンス音楽的生涯』(径書房)
⑧『反=近代文学史』(文藝春秋)
 

■私の授業

 私は自分の研究の専門分野をゼミの学生におしつけるつもりはありません。もちろん、専門の19世紀フランス小説は自分がよく知っている分野ですから、学生にきめ細かな知識を伝授することができます。これまでも自分が研究しているバルベー・ドールヴィイの小説をゼミの題材にとりあげたことがあり、幸いにも好評を博しました。
  しかし、極端なことをいえば、題材は何でもかまわないのです。学生が興味をもてるフランス語のテクストでありさえすれば、雑誌の記事でも、映画のシナリオでも、マンガのせりふでも、教材になります。ゼミの重要な目的は、フランス語を使うためのテクニックを磨くことにあるからです。
  言葉は知識や教養ではありません。知識や教養を得るための道具です。今ふうにいうならば、自分に必要な情報を獲得するための最も強力なツールなのです。ツールは使えなければ意味がありません。ですから、私のゼミでは、フランス語のテクストを教材にしながら、テクストの内容だけでなく、外国語を情報獲得のツールとして使いこなす方法を学んでいきます。
  その後、フランス語という言葉を駆使して、ほかの人とは違った価値ある情報を手にできるかどうかは、あなたがたの意欲にかかっています。意欲とは、自分のやりたいことが分かっているということです。自分が何をやりたいかを発見することは、ほかの誰にも手伝うことはできないのです。

 

■主要著作

Pulsions du roman : le cas Barbey d'Aurevilly(学習院大学、1988年)
『最後のロマン主義者――バルベー・ドールヴィイの小説宇宙』(中央公論社、1992年)
『映画作家論――リヴェットからホークスまで』(平凡社、1994年)
『小説家になる!』(メタローグ、1995年。『小説の解剖学』と改題、ちくま文庫、2002年)
『小説家になる!2』(メタローグ、2001年。『小説家になる!』と改題、ちくま文庫、2006年)
『文章読本――文豪に学ぶテクニック講座』(朝日新聞社、2000年。中公文庫、2003年)
『クリント・イーストウッド――アメリカ映画史を再生する男』(朝日新聞社、2001年。ちくま文庫、2007年)
『反=近代文学史』(文藝春秋、2002年。中公文庫、2007年)
『フランス映画史の誘惑』(集英社新書、2003年)
『中条省平の秘かな愉しみ』(清流出版、2003年)
『読んでから死ね!――現代必読マンガ101 』(文藝春秋、2003年)
『名刀中条スパパパパン!!!』(春風社、2003年)
『中条省平は二度死ぬ!』(清流出版、2004年)
『三島由紀夫が死んだ日』(編著、実業之日本社、2005年)
『続・三島由紀夫が死んだ日』(編著、実業之日本社、2005年)
『ただしいジャズ入門』(春風社、2005年)
『天才バカボン家族論 「パパの品格」なんていらないのだ! 』(講談社、2008年)
『決定版!フランス映画200選』(清流出版、2010年)

 

■主要翻訳

ペナック『人喰い鬼のお愉しみ』(白水社、1995年。白水uブックス、2000年)
ボバン『いと低きもの』(平凡社、1995年)
オフマルシェ『ドゥマゴ物語』(Bunkamura,1995年)
マンディアルグ『すべては消えゆく』(白水社、1996年。白水uブックス、2002年)
キュニー『ギル・エヴァンス音楽的生涯』(径書房、1996年)
マンシェット『眠りなき狙撃者』(学研、1997年)
グルニエ『フィッツジェラルドの午前三時』(白水社、1999年)
バルベー・ドールヴィイ『悪魔のような女たち』(ちくま文庫、2005年)
ブランケ『幸福の花束』(パロル舎、2005年)
バタイユ『マダム・エドワルダ/目玉の話』(光文社古典新訳文庫、2006年)
プルースト/ウエ『失われた時を求めて フランスコミック版第1巻 コンブレー』(白夜書房、 2007 年)
ラディゲ『肉体の悪魔』(光文社古典新訳文庫、 2008 年)
プルースト/ウエ『失われた時を求めて フランスコミック版第2巻 花咲く乙女たちのかげに・1 海辺への旅』(白夜書房、 2008 年)
マンシェット『愚者が出てくる、城寨が見える』 (光文社古典新訳文庫、2009年)

 

■共訳

ラングラード『D・G・ロセッティ』(山崎庸一郎と共訳、みすず書房、1990年)
コスタンティーニ『フェリーニ・オン・フェリーニ』(中条志穂と共訳、キネマ旬報社、1997年)
ロンドー『アレクサンドリア』(中条志穂と共訳、Bunkamura,1999年)
フィエロ『パリ歴史事典』(中条志穂ほかと共訳、白水社、2000年)
フロマン『ロベルト・スッコ』(中条志穂と共訳、太田出版、2002年)
コクトー『恐るべき子供たち』(中条志穂と共訳、光文社古典新訳文庫、2007年)