Cursus de troisième cycle de langue et littérature françaises

授業紹介 :小室真衣子(博士前期課程)

 博士前期課程2年の小室真衣子です。私は学部時代も学習院のフランス語圏文化学科で学びました。私の専門は、卒業論文のテーマに引き続き、20世紀のヴェトナム生まれのフランス人女性作家、マルグリット・デュラスについての研究です。特にHiroshima mon amourという、アラン・レネ監督の映画作品のために書いたシナリオテクストを中心にして展開していこうと考えています。これは、人種や民族、東洋と西洋、戦争、記憶と忘却、生死、恋愛といったデュラス的なあらゆる問題を提議している、とても魅力的なテクストです。

 さて、大学院の授業についてですが、学習院では基本的に、学部の授業よりも格段に少ない人数で行われます。当然お互い顔見知りになりますから、ゼミのように打ち解けた雰囲気になります。先生と学生の距離が近いことも魅力です。修士1年の時は木曜と土曜を除いて毎日授業を履修していました。ちなみに、私は学習院女子大学で司書課程の授業もとっていましたが、大学院の授業と両立させることは十分可能でした。

 月曜日は、松村剛先生という中世が専門の東京大学の教授が講師を務める「フランス語学特殊研究:フランス語の地方性」を受講していました。松村先生は、ご自分の専門に精通しているのみならず、それぞれの院生の研究テーマに有益な研究のアプローチ法を教えてくださるなど、その知識量に大変驚かされます。参考文献の書き方やインターネットでの文献探索法まで、きめ細かく指導していただけるので、研究者を志している人は必ず受講するべき授業だと思います。火曜日の授業は、同じく東大の教授である塚本昌則先生の「フランス文学演習:フランス二十世紀文学演習」でした。先生がとても爽やかに、魅力的なロラン・バルトのテクストについて熱弁をふるってくださいました。前期ではバルトの処女作(Le degré zero de l’écriture)、後期は晩年のテクスト(La chambre claire)を読み、一年を通してバルトの仕事の全容を明らかにしていきます。水曜日は他学科(英米文学、日本文学)の授業を履修していました。専門外の授業を聴講することにより、自分の視野を広げることができたように思います。金曜日はフランス人の講師であるビゼ先生の「フランス文学演習:Poétique du roman」と、残念ながら昨年度現役を引退されてしまいましたが、当学科の顔である佐伯隆幸先生の「フランス演劇演習:演劇理論を読む」を受講していました。ビゼ先生の授業は、すべてフランス語で行われますが、先生はゆっくり話してくださるので、聞き取ることは心配するほど困難ではないと思われます。授業の内容は、すべてのテクストが含んでいる他のテクストの影響や、語り手、作中における視点の問題など、文学研究の基礎を学ぶことができ、とても有益なものです。今までとは違った見方でテクストに接することができるようになったと思います。佐伯先生の授業は、演劇についてはもちろん、それだけにとどまらず、他の芸術や文学、そして劇場を取り巻く世の中までと、縦横無尽に刺激的なお話をしてくれました。一行のテクストで、ここまで話を広げることができる人がいるのだと、つくづく驚いたものです。

 このように本学では、知的好奇心が掻き立てられるような様々な授業が行われています。少しでも興味を持たれたら是非一度、出席してみることをお勧めいたします。 

(平成23年9月~平成24年6月 パリ第七大学に留学)

平成24年3月